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24/6/25

★ADA(米国糖尿病学会) 2024 (6/21-24)★

ADA(米国糖尿病学会) 2024/6/21-24で発表された主要な研究についてまとめています。


 

■ チルゼパチドが睡眠時無呼吸症候群に有効


SURMOUNT-OSA試験 中等度から重度の閉塞性SAS+肥満(BMI 39) 52週第3相試験

プラセボ vs チルゼパチド10or15mgで

CPAP未使用 -5.3 vs -25.3 イベント/時

CPAP使用  -5.5 vs -29.3 イベント/時

N Engl J Med. 2024 Jun 21. doi: 10.1056

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38912654/

 

■ ADA/EASDから1型DM未発症だが膵島抗体陽性へのコンセンサスガイダンス発表


・1つ以上の自己抗体陽性であれば2つ目のサンプルを検査する。

・単一の自己抗体陽性は、複数の自己抗体陽性よりも進行リスクが低い。

・ステージ1以前は、定期的な血糖検査、糖尿病およびDKA症状に関する定期的な教育

・ステージ2では、臨床試験への参加または承認された治療法を提供すべき(テプリズマブ、他開発中)


Diabetes Care. 2024 Jun 24:dci240042. doi: 10.2337

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38912694/

Diabetologia. 2024 Jun 24. doi: 10.1007

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38910151/

 

■ GLP-1の心腎抑制効果はSGLT2iの有無で異なるか?


FLOW試験 2型DM+CKD 3.5千人4年 セマグルチド1mg vs プラセボで心腎複合は

SGLT2iなし 0.73(0.63-0.85)

SGLT2iあり 1.07 (0.69-1.67)  交互作用 0.11

Nat Med. 2024 Jun 24. doi: 10.1038

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38914124/

 

■ ADAが高血糖昏睡(DKA/HHS)に関するコンセンサスを15年ぶりに更新


米国糖尿病学会(ADA)欧州糖尿病学会(EASD)英国糖尿病学会(JBDS)米国臨床内分泌学会(AACE)糖尿病技術学会(DTS)共同声明


・DKAの定義:血糖「250以上」→「200以上」に変更

・血糖の変更はSGLT2iによる正常血糖ケトーシスも踏まえて

・軽症DKAに対する皮下注射や、治療後の皮下注射タイミングなどもフローチャートに記載

・前情報ではDKA+HHS症例が3分の1なのでDKA、HHSの定義がかわるとのことでしたが、そこはかわらず

Diabetologia. 2024 Jun 22. doi: 10.1007

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38907161/

 

■ セマグルチド2.4mgの心血管抑制はA1cによって異なるか?


SELECT試験、予定解析

非DM肥満1.7万人(61歳)


セマグルチド2.4mg vs プラセボ

心血管リスクの低下は、ベースのA1cで変わらず

追跡期間中のA1c変化とも関係せず一定

Diabetes Care. 2024 Jun 22:dc240764. doi: 10.2337

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38907684/

 

■ フィブラートが糖尿病網膜症・黄斑浮腫抑制


LENS試験


スコットランド1151人 RCT 4年

★主要アウトカム=糖尿病網膜症、黄斑症

フェノフィブラート145mg vs プラセボで

22.7% vs 29.2%、HR 0.73 (0.58-0.91)と有意に抑制

NEJM Evid. 2024 Jun 21:EVIDoa2400179. doi: 10.1056

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38905569/


 

■ インスリン持続注射(入院)ではrtCGMが有用

上海3次病院内分泌病棟


インスリン持続注射を要したDM(2型9割, 60歳, A1c9.4%)475人

rtCGM vs POCT 8回/日 RCTで

平均TIR 71 vs 63%

目標血糖達成までの 2 vs 4日

The Lancet Regional Health - Western Pacific 2024:101067

https://www.thelancet.com/journals/lanwpc/article/PIIS2666-6065(24)00061-0/fulltext

 

■ HFpEFにおけるGLP-1のNYHAへの効果は?


STEP-HFpEF、STEP-HFpEF-DM試験統合

EF>0.45かつBMI≧30(DM問わず)1145人 52週


セマグルチド2.4mg vs プラセボで

KCCQ-CSS +7.5~7.6点と男女とも改善

J Am Coll Cardiol. 2024 Jun 19:S0735-1097(24)07445-X. doi: 10.1016

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38913003/

 

■ その他の発表(同時Publishなし)


【1型DMにおける吸入インスリンの有効性】

INHALE-3試験


米国内19施設17週間1型DM123人、吸入インスリン(Afrezza)+基礎 vs 通常

A1c 7%未満達成 30 vs 17%

ただし 0.5%以上悪化が 26 vs 3%

半数以上が試験終了後も吸入インスリン継続希望

https://diabetes.org/newsroom/press-releases/study-shows-promising-results-inhaled-insulin-treatment-type-1-diabetes



【SGLT2i、若年1型DMの血糖・腎への有効性示す】

ATTEMPT試験


米、思春期1型DM98人、少量ダパグリフロジン vs プラセボ 16週RCT

A1c 0.48%低下、eGFRも改善(データ不詳) 軽度DKA1例

https://diabetes.org/sites/default/files/2024-06/ADA%202024_ATTEMPT%20Trial_Press%20Release_F%20Mahmud%206.20.2024.pdf

【コントロール困難な2型DM4人に1人がコルチゾール高値】

CATALYST研究


米、A1c 7.5-11.5%の2型DM1,000人以上横断

1mgデキサメタゾン抑制試験

24%でコルチゾール 1.8以上

特に3種類以上の高血圧治療薬を服用している患者では3人に1人

さらにCTキャンで、3分の1に副腎異常、その4分の1には副腎腫瘍があった

コントロール困難な2型糖尿病患者における高コルチゾール血症のスクリーニングの重要性を強調

CATALYST研究は今後も前向きで継続

https://diabetes.org/newsroom/press-releases/one-four-patients-difficult-control-type-2-diabetes-experience-high-levels

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Dr.U 糖尿病メモ 
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