日本循環器学会 / 日本心不全学会
「心不全診療ガイドライン(2025 年改訂版)」 2025/03/28発行
糖尿病診療にも関連しそうな改訂ポイントをまとめています
※自分の勉強用にまとめたものなので、ご理解の上、個人の勉強用にご参照下さい。
■主な改訂ポイント
1.「急性・慢性心不全診療ガイドライン」の表記から,「心不全診療ガイドライン」へと変更
2.ステージA(心不全リスク)に慢性腎臓病(CKD)を追加
3.ステージB(前心不全)の記載を明確に
4.HFmrEF/HFpEFにおけるSGLT2阻害薬,MRA(フィネレノン)の推奨を追加
5.肥満合併心不全に対するGLP-1製剤の推奨を追加
■心不全ステージ分類A~Dを明確化
・ステージAとして、糖尿病、高血圧、 動脈硬化性疾患などに、「慢性腎臓病(CKD)」などを追加



・ステージB(前心不全)の記載を明確に(E/e’ >14、左室壁厚 ≧12mmなど)

■心不全予防(ステージA)
・2型DM+CVD既往orハイリスク → 心不全発症予防のために,SGLT2i(推奨1A)
・2型DM+CKD → 心不全発症or心血管死予防のために,SGLT2i(推奨1A)
・2型DM+CKD → 心不全発症予防のために,フィネレノン(推奨1A)



■心不全治療(ステージC/D)
・症候性心不全(HFrEF/HFmrEF/HFpEF全て) → 心血管死および心不全入院抑制のために,SGLT2i(エンパグリフロジン,ダパグリフロジン)(推奨1A)
・NYHA II~IVのHFrEF → MRA(スピロノラクトン・エプレレノン)(推奨1A)
・症候性HFmrEF/HFpEF → 心血管死or心不全増悪抑制のためにMRA(フィネレノン)を考慮(IIa)
・症候性HFpEF → 心不全入院抑制のためにMRA(スピロノラクトン,エプレレノン)を考慮(IIb)




・HFrEFに対する臨床試験まとめ、薬剤投与量まとめ
■糖尿病+心不全
・DM+慢性心不全or心不全既往 → 心不全・心血管死予防目的にSGLT2i(推奨1A)
・GLP-1はメタ解析では心不全抑制効果あるが、個々の試験では抑制していない
・症候性の心不全患者にチアゾリジン薬を投与すべきではない(Harm A)
・ビグアナイド薬は,欧米では心不全入院や死亡低下させるが、日本では非代償性心不全では禁忌となっている。

■肥満+心不全
・肥満症+EF≧45%の心不全 → 心血管死減少・再入院予防のためにセマグルチドを考慮(IIa)
・肥満症+EF≧50%の心不全 → 心血管死減少・再入院予防のためにチルゼパチドを考慮(IIa)

・糖尿病、肥満に関するp161~164抜粋
■BNP / NT-proBNPのカットオフ値


■NYHA分類(図がきれいなので載せただけです)

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